面会時間をとうに過ぎたというのに、隣室から複数の子供たちと女性の叫ぶような声が聞こえます。
「お父さん頑張れ!」
「お父さんもうちょっと頑張るよ!」
「お父さん寝ちゃダメだよ!」
どうやら僕はとんでもない所に来たようです。
ここは生と死の狭間に位置する場所。
生きる者は笑顔でこの場所を後にし、死すべき者は冥界の暗闇に永遠に閉ざされる。
僕は絶対にここを出て行きたい。二度とこの場所には戻ってきたくない。
それにしても今何時だと思ってるんだろう。
病院の夜が短いことを、彼らは承知しているのだろうか。
未だに「頑張れ!」を大声で連呼してるけど。
僕もこの年にして、いろんな部位への転移が明らかになりました。
主治医が最初予言した通りです。
「⚪⚪さんのがんは目に見えないレベルで全身に広がっているため、いつどこで転移・再発が起きてもおかしくない」
ここまで言われても、僕は何故か現状が他人事のように思えてしまいます。
毎日の看護師による処置の激痛や、突然波のように押し寄せる右足の激痛に、日々「なんでこんなに痛い思いを僕だけがしなけりゃならないの?」と不思議に思うだけです。
つまり、今の僕には現実認識能力がなくなって、視野が狭くなっているのでしょう。
「お父さん頑張れ!」
「お父さんもうちょっと頑張るよ!」
「お父さん寝ちゃダメだよ!」
どうやら僕はとんでもない所に来たようです。
ここは生と死の狭間に位置する場所。
生きる者は笑顔でこの場所を後にし、死すべき者は冥界の暗闇に永遠に閉ざされる。
僕は絶対にここを出て行きたい。二度とこの場所には戻ってきたくない。
それにしても今何時だと思ってるんだろう。
病院の夜が短いことを、彼らは承知しているのだろうか。
未だに「頑張れ!」を大声で連呼してるけど。
僕もこの年にして、いろんな部位への転移が明らかになりました。
主治医が最初予言した通りです。
「⚪⚪さんのがんは目に見えないレベルで全身に広がっているため、いつどこで転移・再発が起きてもおかしくない」
ここまで言われても、僕は何故か現状が他人事のように思えてしまいます。
毎日の看護師による処置の激痛や、突然波のように押し寄せる右足の激痛に、日々「なんでこんなに痛い思いを僕だけがしなけりゃならないの?」と不思議に思うだけです。
つまり、今の僕には現実認識能力がなくなって、視野が狭くなっているのでしょう。