なくもんか(T_T)

夕凪なくもの「公式」ブログです。 小説を書いたり、書かなかったり。 そんな毎日と、自著についてのお知らせを主にします。たまにおススメの本を紹介したりします。 TwitterのIDは@sazamekunami01です。こちらもどうぞよろしく。 AmazonのKindleストアで電子書籍(小説)多数販売中。月刊群雛にも多数の小説を寄稿。E★エブリスタでも時々小説を公開。「超・妄想コンテスト 水場の恐怖」準大賞受賞。人気ブログランキングに参加しています。現在がん闘病中。

カテゴリ: おススメの本

『全告白 後妻業の女』(小野一光著 小学館)を一気に読み終えました。

数年前世間を騒がせた、筧千佐子による殺人事件の取材と法廷録をまとめた本です。

事件はあまりに有名過ぎるので不要かもしれませんが、一応おさらいしておくと、筧千佐子は60代にして結婚相談所に登録し、身寄りはないが高収入だったり、資産のありそうな高齢男性と次々に付き合ったり籍を入れたりしますが、どの高齢男性もすぐに謎の死を遂げてしまう。当時内縁だったり、戸籍上の妻だったりした筧千佐子は彼らの遺産を手に入れます。

しかしやはり警察に目をつけられ逮捕。以後京都地裁の検察側の死刑求刑までと、著者自身による筧千佐子への面会録を一冊にまとめたのがこの本です。

いやあ、率直に言うと、先日このブログのコメント欄に湧いたブスに、是非筧千佐子の爪の垢でも煎じて飲ませたい気持ちですね。
それくらい筧千佐子というオバサンは、どちらかと言うとブスで地味。

だけど彼女とお見合いして何度か接し、運良く彼女の毒牙にかからなかった男性たちは、こぞって彼女は「よかった」「是非結婚したいと思った」と振り返ってるんですよ。
殺された男性たちだって、筧千佐子に魅力を感じたからこそ、遺言書を作成してまで莫大な財産を彼女に捧げようと考えたり、入籍したりしたのでしょう。

それなのに「男は顔だけで女を判断する!」「あだすはブスだから男が選ばない!」だと?(笑)
そんなブスは筧千佐子に笑われるだろうし、筧千佐子以下ですな。

話を元に戻すと、この本は丁寧に筧千佐子周辺や法廷を取材しており、好感が持てます。
その一方で、著者自身が望んでいた「何故彼女はここまで大それた罪を犯したのか?」という部分について、イマイチ掘り下げられていない点が少し残念でした。それは筧千佐子の供述が二転三転したり、平気で嘘を並べたりするがゆえとも言えるでしょう。
ただ決して井戸端でおしゃべりされるような、「もっとカネが欲しかったんでしょう」という単純な理由だけではない、もっと複雑な事情があったということが本書を通じて分かり、その点は丁寧な取材のおかげでしょう。

今度は木嶋佳苗についての本を読んでみようかと思ってます。
この人も散々「ブス!」と言われたのに、彼女を愛する男が次々に現れ、結果彼女の毒牙にかかったんですよね。
マジで思うんですけど、世間のブスはこういう犯罪者でもいいから手記なりノンフィクションなりを読んで、男を落とす方法を勉強しろよ。

そんな努力もせず「男は顔で女を~」ばかりウジウジ愚痴ってるブスは、だからバカなブスだと僕は思うんですよ。
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時間があるので、久しぶりに手塚治虫の『火の鳥』を読み返していました。

まだ現在第2巻を読み終えたところですが、やはりすごいですね。

何がすごいって、スケールがすごい。

そして高等生物化したナメクジが文明を作り、その果てに民族の違いによって互いを絶滅させる戦争を起こし、最後に残ったナメクジが水を求めて彷徨いながら、永遠の命を火の鳥から授かり「神」のような存在となったマサトと会話するシーンなどは、どうしても今の病気の自分と生き残ったナメクジとを重ねてしまいます。

「死にたくない……死ぬのはいやだ」(ナメクジ)
「あなたがだれだかは知らないが、私だって命はおしい!!」(ナメクジ)
「長生きしてなにになるというのだ?なぜ命をそんなにおしむのだ?」(マサト)
「そりゃあ死んじまえばなにもかもパーになるからですよ……」(ナメクジ)
「私はおまえの先祖の下等なナメクジを知ってるが、おまえのように未練がましくはなかったし、グチもいわず死んでった。恥ずかしくないのかね」(マサト)
「イヤダイヤダ わたしゃそんな下等生物じゃない!!死ぬのがこわいんだ 助けてくれェ」(ナメクジ)
(手塚治虫『火の鳥』未来編)

 僕ら人間も猿から進化し、高等な知能を持ってしまったが故に、無意味な争いを起こしたり、死に異常なくらい怯えたりしますね。
 かと言って、もはや元の猿には戻れない。進化した生物の「定め」のようなものを感じます。
 第1巻では古代日本の人間が争いの果てに次々に殺されていって、そこにはまるで命の重みがなかったので、そういうことも思い出されます。
 でも争いがなければ、中央集権国家(ヤマト政権)は誕生しなかったし、日本という国もなかったかもしれない。

 今の僕も死にかけている高等ナメクジと同じ心境ですが、もし仮に「永遠の命」を授かったマサトのようになったとして、それが幸福なのかというと、どうもそうではないように思います。
 
 やはり手塚治虫の漫画は深いですね。

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 これからもショート・ショートを書いていくために、色々と本を読んだりテレビを観たりして勉強しているのですが、その中でも『世にも奇妙な物語』の「美女缶」という話が面白かったので、独自分析してみます。

主演は妻夫木聡。

あらすじ【ネタバレ注意】

 妻夫木聡演じる若い男性は(名前は忘れました)、 年上の正社員らしき女性とアパートで同棲している。妻夫木は就職活動中の身。そんな折、同棲相手が「一週間ほど出張に行ってくる」と言って、部屋を出て行く。妻夫木は隣の部屋の「ふじお」という男が気になって仕方がない。「ふじお」の部屋には、何十人もの若い美女が出入りしている。「ふじお」は全く冴えない容姿なのに。
 妻夫木は思い切ってベランダから隣の部屋に侵入する。その「ふじお」の部屋で、「美女缶」なるものと説明DVDを手に入れ盗み出す。
 説明DVDでは、美女缶の蓋を開け中身のジェルをお風呂に垂らしたら、そこから「あなたを恋人だと思ってくれる女性」が誕生すると説明されている。 
 妻夫木は躊躇いなく試してみる。すると妻夫木好みの可愛い女の子が現れ、デートをする。デートを重ねていくうちに、女の子と心通わせていくが、女の子はある日「説明DVD」を見つけてしまい、行方をくらます。女の子の行方を探していた妻夫木の下に、同棲相手が帰って来る。
 雨の日でずぶ濡れの妻夫木に「着替えなよ」と言う同棲相手。
 その妻夫木の背中にも、美女缶の女性と同じ「品質期限」の刻印がされていた。 


(ここより本文)
 まず色々おかしな所がある。
 例えば「美女缶」から産まれた女性は、「大学生でルームシェアしている設定」となっているが、その大学での交友関係やルームシェアでの人間関係などはどうなっているのか?
 美女缶を風呂に垂らすだけで、人間関係や世界ががらがらと変わるほど、すごいことになるのか?
 だったら美女缶を開けまくりの隣の「ふじお」 は、どれだけ世界を変えているんだ?

 また、同棲相手がいながら、何故「新たに女を必要とする」のか?
 同棲相手との間に何かトラブルがあったりしたなら、まだ分かる。でもそれが全然ないのに、妻夫木は美女缶をひたすら求める。
 そもそもたった一週間の出張だと言ってるのに、他の女を家に入れるっておかしくね?

 この辺り、不自然さが付きまといます。

 しかしそれを除いた上で敢えて面白さを語るなら、このストーリーが、いわゆる「黄泉返り方式」を採用していた点。
 いわゆる「語り手が実は……」方式ですな。
 それに終盤までコロッと騙されて、終盤で明らかにされた時に、「ああ、なるほど」と思う。

 これは観る者に一種のカタルシスを与えますが、前述のごとく「黄泉返り」その他でもよく使われる方式なので、真似することは難しいでしょうな。手垢が付き過ぎて。

 あと、妻夫木の願望は男の願望でもあるんですよね。
 だからわざわざ「同棲相手」なんて作らず、「侘しい独身」という設定にしますね、僕が作るんだったら(笑)。 

 
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遅まきながら、観ました!

すごく「ディズニーアニメっぽい物語の作り方」だな……と思いながら観ていました。

最初の伏線(主人公がミクロボットを発明する)→それが回収される流れとか、きちんと対立者(敵)が現れて、でもその敵は実はまったく違う人物で……などなど。

もうここまで来たら、「ストーリーのお約束」を踏まえすぎていて、笑えちゃいますね。
ガチガチで(笑)

ちなみに僕、たまに人から「(フォルムが)ベイマックスに似てる」と言われるので(T_T)、ちょっとそれはいつも切ないです……。

☆3つくらいですかね。

追記:
ちなみに舞台が日本の街の日本人の主人公……という設定ながら、違和感ありまくりの街でしたね(笑)





 
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数週間前に一気に全5巻を読み終わったのですが、忘れないうちに感想を。

この大作は第二次世界大戦下の日本とドイツを背景に、ナチス総統のアドルフ・ヒットラー、ドイツ人と日本人のハーフであるアドルフ・カウフマン、ユダヤ人のアドルフ・カミル、という「三人のアドルフ」を中心に物語が進みます。

色んなテーマがあると思います。

特にナチスやナチスによるユダヤ人狩りが丁寧に描かれている通り、人種差別へのアンチ・テーゼも含まれているでしょう。

そんなメイン・テーマとは別に、僕は「誰も幸福にならない物語」という、何だかマイナーな通底音を聴き取りました。

主人公(狂言回し?)の峠草平も、三人のアドルフも、その人生は複雑に入り乱れ絡まり合い、お互いにお互いを干渉しますが、幸福へ向かうどころか次から次へと不幸が訪れます。これでもか、というくらい。

束の間の幸せを得ても、また訪れる次なる不幸。

それは「戦争」という、もう一つの大きなメイン・テーマと 無関係ではないと思います。

ラスト。
戦争が全て終わった後、峠草平はかつて訪れた田舎町を再び訪れ、そこで懐かしい二人の女性と再会します。
酒場の女将と、かつて峠に一目惚れしながらも別の男を好きになり、そのまま隠遁した娘です。
女将が温かく草平を受け入れてくれる。
そこで初めて不幸に不幸を重ねた彼が、一つの「希望」を見出すのは興味深いです。 

けれども戦争はまだ終っていません。

「安住の地」を得たユダヤ人たちと、アラブ人による領土争い。 
ナチスの残党狩り。

「正義」とは一体何なんだ?

と考えさせられずにはいられません。

壮大なテーマと、二転三転する物語。
そして大きな「人生悲劇」。おススメの大作です。

 


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