今日は小池重明という男の半生を描いた『真剣師小池重明光と影』(団鬼六)を読んでいました。

真剣師というのは賭け将棋で生計を立てる人のことで、昭和の時代にはよくいたそうですが、今は見かけません。

小池重明という人は真剣師の中でも特に強かったのですが、その生涯はめちゃくちゃでした。

貧しい家に生まれ、酒と煙草とギャンブルに溺れ、唯一強かった将棋だけを頼りにどうにか生きる。金に困ると人妻と駆け落ちしたり。そうこうしてるうちに重度の肝硬変になり、44歳の若さで亡くなった。

僕が団鬼六のこの本を読むのは二回目なのですが、それほど小池重明の生きざまは、どこか僕の目を惹いてやみません。

将棋一本で人生を戦ったところが、かつて僕の若い頃、小説だけで人生を渡ってやると考えていた時代と重なるからでしょうか。

小池はプロをも負かす才能の持ち主だったので、僕なんかとは比べものにもなりませんが。

でも僕にもかつて20代の頃は、自分の小説の才能を過信して止まない時期がありました。

そういう甘酸っぱいノスタルジーを、小池重明の人生を読んでいるとつい思い出してしまうのです。

もし同じ経験を持つ人がいたら、オススメの本です。

さて、今日は右足の痛みが昨日よりはましになりました。
それでも十分痛いですけどね。

下剤を飲んだせいか、便がよく出ます。
去年の手術以降、僕の腸は下剤と下痢止めの薬の繰り返しをしないと、うまく便が出なくなりました。

本当に不便な体になったものです。

それこそ小池重明みたいに、酒や煙草に溺れる不健康な生活だけはしていないのに。