『全告白 後妻業の女』(小野一光著 小学館)を一気に読み終えました。

数年前世間を騒がせた、筧千佐子による殺人事件の取材と法廷録をまとめた本です。

事件はあまりに有名過ぎるので不要かもしれませんが、一応おさらいしておくと、筧千佐子は60代にして結婚相談所に登録し、身寄りはないが高収入だったり、資産のありそうな高齢男性と次々に付き合ったり籍を入れたりしますが、どの高齢男性もすぐに謎の死を遂げてしまう。当時内縁だったり、戸籍上の妻だったりした筧千佐子は彼らの遺産を手に入れます。

しかしやはり警察に目をつけられ逮捕。以後京都地裁の検察側の死刑求刑までと、著者自身による筧千佐子への面会録を一冊にまとめたのがこの本です。

いやあ、率直に言うと、先日このブログのコメント欄に湧いたブスに、是非筧千佐子の爪の垢でも煎じて飲ませたい気持ちですね。
それくらい筧千佐子というオバサンは、どちらかと言うとブスで地味。

だけど彼女とお見合いして何度か接し、運良く彼女の毒牙にかからなかった男性たちは、こぞって彼女は「よかった」「是非結婚したいと思った」と振り返ってるんですよ。
殺された男性たちだって、筧千佐子に魅力を感じたからこそ、遺言書を作成してまで莫大な財産を彼女に捧げようと考えたり、入籍したりしたのでしょう。

それなのに「男は顔だけで女を判断する!」「あだすはブスだから男が選ばない!」だと?(笑)
そんなブスは筧千佐子に笑われるだろうし、筧千佐子以下ですな。

話を元に戻すと、この本は丁寧に筧千佐子周辺や法廷を取材しており、好感が持てます。
その一方で、著者自身が望んでいた「何故彼女はここまで大それた罪を犯したのか?」という部分について、イマイチ掘り下げられていない点が少し残念でした。それは筧千佐子の供述が二転三転したり、平気で嘘を並べたりするがゆえとも言えるでしょう。
ただ決して井戸端でおしゃべりされるような、「もっとカネが欲しかったんでしょう」という単純な理由だけではない、もっと複雑な事情があったということが本書を通じて分かり、その点は丁寧な取材のおかげでしょう。

今度は木嶋佳苗についての本を読んでみようかと思ってます。
この人も散々「ブス!」と言われたのに、彼女を愛する男が次々に現れ、結果彼女の毒牙にかかったんですよね。
マジで思うんですけど、世間のブスはこういう犯罪者でもいいから手記なりノンフィクションなりを読んで、男を落とす方法を勉強しろよ。

そんな努力もせず「男は顔で女を~」ばかりウジウジ愚痴ってるブスは、だからバカなブスだと僕は思うんですよ。